私と相方は、LGBTイベントのスタッフ同士として知り合った。主催団体はイベントの他に、勉強会や交流会をしている。スタッフをしていて思ったのは「こういう活動って、LGBT当事者の将来にどういう利益があるの?」ということ。その団体が行っていた取り組みについて整理してみる。

 
【交流会】(当事者中心)
活動の始まりは、多分ここからだと思われる。お互いの悩みや考えを共有する、また仲間を見つける場。困っていることについて、経験のある人が相談に乗ることもできる。
ここに一般の人がいてもいいという声と、そうなると当事者の中に参加できない人が出てくるという声がある。
 
【イベント】(一般の人たちも参加)
一般の人にLGBT当事者の存在を認知してもらう、また当事者が自分と同じような人の存在を感じる場。メディア取材もあったりするので、イベントにこない人にも広報できる。
 
【勉強会(講演会など)】(一般の人たちが参加することも)
研究者や社会活動をしている人などを呼んで話を聞く。テーマはいろいろだが、社会での自分達の位置を知る、社会活動を行う上でのヒントを得るなどに役立つ。
 
【講演活動】
団体のメンバーが大学などへ行って、LGBT理解を深めてもらうための講演をする。
 
【政治的取り組み】
政治的と言えるかは分からないが、教育委員会などへの働きかけ、行政職員に話を聞いてもらう、議員さんとの付き合いをするなど。


私たちの街の団体はこんな感じかな?今はイベントスタッフではないし、団体主催のF氏と友達付き合いしてるだけなので詳しくは分からない。ただスタッフ時代は、やってることと目的が上手く繋がらなかった。F氏との付き合いの中で、他の団体の活動や社会の動向を知る機会がある。それらを知ることで、少し方向性が見えてきた。中には「こんなこともできるんだ!」と思うものも。ちょっと紹介してみる。

 
●行政や企業の職員研修
LGBT理解が業務に必要と考える自治体や企業が出てきてるという嬉しい驚き。こういう研修をビジネスとしてやっているとこもあって、「LGBTビジネスとは斯くやあらん」と思った。
 
●学校での取り組み
LGBTについて生徒自らが調べたり、まとめたことを発表したりということをしている学校がある。そういう学校が増えれば、差別的な見方をする人が減ってくれるよね。教育って大事。
 
●住まいについて
LGBT向けの不動産屋さんやシェアハウスがある。まだ都会だけだろうけど、ビジネスとして将来性ありそう。私も興味ある分野だ。
 
●ブライダル
「ゼクシィ」が特集を組んだり、TDLで結婚式が許可されたり、この業界がLGBTビジネスに一番積極的かも。法的には結婚はまだできなくても、形だけでも先にやっちゃえ!ということか。それに後押しされて、法律も変わればいいね。
以前に私たちも「写真だけでも撮る?」と調べたことがあった。LGBTだと衣装のセット内容が変わったりする。その時は、都会にしか対応してくれるところが見つからなかった。田舎でも相談したら大丈夫かも知れないけどね。

 
権利運動というのは、目的が達成されて運動をしなくても良くなるのが目標。また今は社会がLGBTを受け入れる過渡期だからこそ、LGBTがビジネスになりやすいとも思う。そのうちLGBTであることが、ただの個性の一つになっていけば、上記に書いたような様々なことは無くなったり、逆に特別なことではなくなるんだろうな。最近になって、そういうことがやっと分かった。
 
私の中でLGBT当事者であることは悩みの種ではない。しかし、アメリカで同性婚が可能になり、世の中にはLGBTが認知されてきたと言っても、個人レベルではまだまだ悩み苦しんでいる人が多い。「世の中にそういう人がいること」と「身内にそういう人がいること」は別問題だからだ。社会が変わることで、家族が当事者を受け入れ易くなればいいと願うばかりだ。

F氏と一緒にイベントスタッフをしたことは、私たちにとって社会に目を向ける良い機会だった。この辺りのテーマは、今後も細分化して書いてみたい。




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