昨日最終回を迎えた「偽装の夫婦」、10時からだったので見ないつもりだったけど、結局最後3回は見た。次の日が眠かった。

ゲイ男子とノンケ女子の偽装結婚、リアリティのある結末を迎えるかということに注目して見ていた。結局2人は性の不一致は置いといても結婚生活を続行するという、少々おとぎ話チックなエンディングを迎えた。視聴者の心情としては、2人がハッピーエンドを迎えて良かったけど、現実的にはなかなか難しい関係ではと思う。
 
ドラマではノンケ女子のラブの気持ちは精神的な繫がりで妥協する、ゲイ男子の性的欲求は家庭外で処理するということに落ち着いた。性的な部分だけ割り切れるのなら、こういう関係も悪くないのかも知れない。

知人のゲイ男子M君も、一時期これに似たことをやれないかと模索していた。M君の好きになる人は家庭には向かないタイプが多いらしく、家族の欲しいM君は女性となら家庭が築けるのではと考えたようだ。彼の考えを受け入れられる女性を探すのは難しそうだけど。どうやら今は友人との関係に心の安寧を求めている様子で、女性とどうこうという話は聞かない。
 
中村うさぎ氏がこのドラマのような結婚生活を送っている。彼女の場合は相手の男性へラブの気持ちはないようで、純粋に家族としての愛情で繋がっているようだ。恋愛部分をどう処理しているのかは不明だが、お互い恋愛現役選手をやめているか、家庭に恋愛を持ち込まないようにしていると想像する。今調べてたら、難病で闘病生活を送っているとのこと。びっくりした。
 
このドラマの場合は、ゲイ男子とノンケ女子の組み合わせだったが、ゲイとレズビアンがそれこそ「偽装」で結婚するケースがある。業界ではこれを「友情結婚」と呼ぶらしい。知人にも友情結婚している人がいる。親しくないので、詳しいことは知らないけど。

友情結婚の場合、恋愛はお互い家庭外の人を対象とするわけで、2人の利害は一致しており問題はない。ただ、その「家庭外の恋人」になる人のことを考えると、部外者ながらに勝手にモヤモヤしてしまう。もし自分の好きな人が偽装とは言え結婚してたら、恋人にはなれないと思う。基本的には一緒に住めないわけで、どんなにラブラブでも生活を共にできないのは寂しい。

友情結婚をするのは、親や職場などへの体裁のためと考えられる。つまり、一生クローゼットでいく覚悟なわけだ。私だったらそれも無理。相手がクローゼットで偽装の配偶者までいたら、その恋人はずっと日陰の身ということ。そんなのつらすぎる。
 
友情結婚を選ぶ人達にはその人の事情があるだろうし、個人の問題なので部外者が口出しすることではない。恋人はいないまま、結婚相手との家族関係だけで生きていく人だっているだろうし。ただ自分の恋人としては無理なだけ。相方も同じような考えの持ち主でほんと良かったと思う。
 
「偽装の夫婦」が、今までにない夫婦の在り方を提示したことは意義深いと思う。世の中のどれだけの人が、ファンタジーとしてでなく考えてみたかは謎だが。しかし今までも、性生活を外で済ますような男性や、性を諦めていた(もしくはなくても構わない)女性はいたわけで、そう考えると男性がゲイだという以外は、案外ありふれた夫婦の形なのかもしれない。

どちらにしろ、天海氏の最近のドラマの中では、見る価値のある面白い作品だった。宝塚時代から細やかな演技はそれほど…と思っていた天海氏だが、今回のドラマの演技は見応えがあったと思う。今回みたいな、テンポと勢いだけじゃない役をどんどんやってほしいものだ。




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