昨日ネットレンタルで借りっぱなしになってたDVDを見た。作品はさだまさし氏原作、大沢たかお氏主演の「風に立つライオン」。


この作品、もともとさだまさし氏の同名曲があった。実在の医師のエピソードをもとに書かれたこの曲の小説化を、主演の大沢氏がさだ氏に依頼。その後大沢氏が企画段階から関わって映画化された。


原作を既に読んでいた私は「これは絶対泣くな」と思ってDVD鑑賞に臨む。案の定、要所要所でティッシュが離せない状態に。しかし……物語への感情移入の在り方が私と違う相方は、ケロリとした顔で泣いている私を見る。泣いてなかったけど最後まで寝ずに見たと言うことは、相方にとっても面白い映画ではあったらしいが。アフリカの美しい景色と、医療に携わる人々の使命感故の切なさ。最後に流れるオーケストラバージョンの曲「風に立つライオン」が、駄目押しの感動を運んでくる。




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「さだまさし」という存在

さだまさし氏は私が物心ついた頃には既に有名人で、近所の子としていた「有名人しりとり」にも出てきた。その子のお母さんが、さだ氏のコンサートに行ったばかりだったらしい。その時は「さだまさしって誰?」だったけど、その後名前だけはよく耳にするように。

その後NHKの「愉快にオンステージ」という音楽番組でさだ氏を見るようになる。「なんか見た目はぱっとせんけど、話は面白いおっちゃんやな〜」と思って見てた。音楽番組ではあるがゲストの演奏がメインなので、MCのさだ氏の曲を聴いた記憶はない。

更に時は流れて、映画「鴨川ホルモー」の中で、さだ氏が半ばギャグのネタ的に使用されている場面に遭遇。原作でこの描写があったかは覚えていない。それまでも「やたら曲が長い」「曲というより独り言のような音楽」という噂?は耳にしていたが、曲を聴く機会はまだ訪れず。


そんな感じで、私の中のさだ氏は「名前とトークは知ってるけど、肝心の曲についてはあまり知らない」人であった。



やはり「本」から入る

私は鑑賞して楽しむものは「本>映画>音楽」という感じで、順位と量が圧倒的に「本」に偏っている。さだ氏ときちんと出会うことになるのも、やはり「本」が始まりであった。図書館で初めてさだ氏の作品「アントキノイノチ」を借りる。


その時には既に小説家としても知られており、いくつかの作品が映画化もされていた。この作品も映画化されて大分経ってから読んだ。そして……泣いた。それをきっかけにして、さだ氏の本を読み続けることになる。


さだ氏の小説はその声と同じく透明感があり、優しく命の重みを伝える作品が多い。最近はプロの作家でも文章に難ありみたいな人を見かけることもあるが、さだ氏に関してはそれは全く心配がない。長く作詞をしてきただけあって、日本語の美しさをよく理解していると感じる。あの詞の世界の延長線上に、小説があるようなイメージ。


やっとさだ氏の音楽に出会う

さだ氏の小説を読むようになって、やっと彼の音楽に興味を持つようになる。
←初めて借りてみたCD。

バイオリンから音楽の世界に入った彼の曲には、クラシック音楽が持っているような「上質感」がある気がする。歌詞だけ見たら「男の独り言」なんだが、曲に乗るとちゃんと音楽になる。歌詞の世界観はかな〜り所帯染みてたりするのに、曲になるとその匂いが薄らいでいるのが不思議だ。永遠の少年のような涼やかな声は、何となく萩尾望都氏らの時代に描かれた、美しく青く、脆いような強いような少年達を想起させる。



透明な涙を流したければ「さだまさし」

今後も彼の小説を読み続けるだろうし、時には曲を聴くこともあるだろう。小説「ちゃんぽん食べたかっ!」で多少は彼の人となりに触れたが、彼のキャラクターについてはよく分かっていない。しかし彼の作品に対する信頼感は、触れた作品の量がそれほど多くないのに、私の中で揺るがないものとなっている。

「泣きたければさだ氏の作品」というのが、私の中にある。それも苦しい感じの涙ではなく、シリアスではあるが爽やかに流せる涙。今後も折に触れお世話になっていくことだろうと思う。あー、この年になってやっと「さだまさし」に出会ったわ。




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