図書館の新刊コーナーで宝塚本を見つけたので手に取った。タイトルは「宝塚歌劇 柚希礼音論 〜レオンと9人のトップスターたち〜(松島奈巳)」。柚希礼音氏についてはほとんど何も知らなかったが、他に歴代のOGについて書かれているようだったので借りてみた。ああ、こうやって少しずつ宝塚についての知識が増えていくのね〜。




9人のトップスターたち

この本では柚希礼音氏について、宝塚で過ごした各時期ごとに、歴代トップスターたちとの比較から述べている。そこで比較対象にとりあげられた9人は以下の方々。ちなみに章立てとしては9つだが、天海氏の章が2つあるので実質は8人である。
  • 1章 天海祐希氏(音楽学校入学以前) 
  • 2章 大浦みずき氏(宝塚音楽学校時代) 
  • 3章 北翔海莉氏(歌劇団入団) 
  • 4章 真飛聖氏(星組若手時代) 
  • 5章 安蘭けい氏(二番手まで) 
  • 6章 天海祐希氏(トップ就任) 
  • 7章 真矢みき氏(退団前年) 
  • 8章 真琴つばさ氏(退団直前) 
  • 9章 明日海りお氏(退団) 
  • 10章 柚希礼音氏(退団後)
私の知識の及ぶ範囲は、宝塚90年代月組周辺なので、それより後の人についてはよく分からない。それでも著者の分析と合わせて読んでいると、分からないなりに面白い。このメンバーすべてについて精通している方は、もっと楽しめるんだろうなと思った。



柚希礼音氏について

そもそも柚希礼音氏についての知識がまるでなかった私。知ってたのはちょっと前に退団したこと、最近では長期の6年間トップにいたこと。あとは久世氏の「CAN-CAN」の映像をネットで漁っていたら、柚希氏が見事なフェッテターンを披露してる映像が出てきて、「この人はバレエの人なんだなー」って思ったことくらい。ネットとかでお顔を拝見していて「知人男性に似てるな〜」 とかも思ってた。

今回この本を読んで見たら、どうもなかなか凄いトップだったらしいと分かった。しかし宝塚的に凄いということにあまり興味のない私、今後の柚希氏の女優としての活躍に期待したいところである。天海氏も退団後しばらくは女優業に苦戦していたので、柚希氏の場合もそう簡単にはいかないだろうとは予想するが。



天海氏について

2つの章を割いて天海氏が取り上げられたというのは、柚希氏と天海氏は似たところが大いにあるということだ。音楽学校以前にファン歴がなく、宝塚に入る動機としてそれぞれ「女優」「バレエ」という確固たるものがあったこと。音楽学校入学時から劇団側から期待され、入団後は特別待遇とも言える扱いを受けていたこと。異例のスピード出世でトップに就任したこと。

この本で改めて知る天海氏の姿もあった。出世が早すぎた故に、自分の実力と置かれた場所のギャップに苦しんでいたこと、実力不足を感じ稽古に励む余りに、ファンへの対応が他のジェンヌと違う形になったこと。天海氏現役当時から現在に至るまであらゆる人が言ってきたことだろうが、「あと数年でもトップ就任まで時間があれば、天海氏はあれほど刺々しいトップにならなくて済んだのに」と思うばかり。

退団後は頑なに「宝塚」に関わる仕事をしない天海氏。しかし最近の天海氏を見ていても、宝塚時代に染み付いてしまったであろう癖のようなものを感じる。役を深める時間を与えられなかった故の「何事もお稽古事感」、「体調管理が1番の仕事」故に遊びを知らなそうなところなどなど。 



そうは言いながら

「私はあくまで久世氏が好きなのである」とは思いつつも、やはり宝塚そのものへの興味はちゃんとある訳で。基本は90年代月組周辺を愛するのだが、最近は現役の方々についての知識も少しずつ蓄積されている。「1度くらいは大劇場で観劇してみたい」とも思っているので、せっかくならちゃんと知ってる人が出てる作品を見たいよね〜。明日海りお氏(見目麗しいよね)、紅ゆずる氏(トークが面白かった)、珠城りょう氏(月組だしGHだし)とか興味ある。そのうちタイミングが巡ってくるかしら〜?




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