20年も前に退団した久世星佳氏に落とされて数年、現役にご贔屓のいない私がムラに足を踏み入れる日が来ようとは!宝塚初観劇は花組大劇場公演「邪馬台国の風」「Santé!!」2日目のマチネ、雪組の望海風斗御一行観劇回というおまけまで付いていた。
fullsizeoutput_108d
いろいろ充実の1日、書きたいことはいろいろあるけど、まずは観劇自体の感想を記したいと思う。ネットを見てると、既に初日映像がスカイステージで放送されたみたいですな。詳しい内容はそちらとか他の方のレポ(公式HPのレポなど)に譲るとして私なりに。

基本的に辛口&多少はネタバレありなので、その辺はご了承ください。




style="display:inline-block;width:336px;height:280px"
data-ad-client="ca-pub-5869483790913921"
data-ad-slot="2637820497">





古代ロマン「邪馬台国の風」
 
fullsizeoutput_107b
簡単に言ってしまうと「キャラの立ってない劇団⭐︎新感線」という感じ。倭国連合(邪馬台国)と狗奴国という2つの勢力争いがメインで、何度か殺陣のシーンもある。そこに内部の裏切りや仲間との友情、主役2人のほのかな恋模様などが絡む話。

深刻な物語なので笑いどころがほぼないのは仕方ないが、全体に盛り上がりに欠け、登場人物のキャラクターもあまり見えてこない演出。私は映画とかでも殺陣などの戦闘シーンが苦手だし、人間関係の妙が深掘りされてる話が好きなので、そういう意味でも物足りなかった。

苦手とは言いつつ、殺陣シーンはそれなりに見応えはあった。「ベルばら」のバスティーユの場面(戦闘シーンを書き割りを前に踊ることで表現)と比べればかなり良い。会場全体をプロジェクションマッピングするシーンも、幻想的な雰囲気が良く出ていた。

キャラクターとして面白かったのは、口がきけないという設定の水美舞斗氏演じるツブラメ。手振り身振りで表現するところに水美氏自身の持つカラリとした明るさが相まって、唯一笑える場面となっていた。また悪役の面々(芹香斗亜氏、花野じゅりあ氏など)は、憎たらしいほどの悪役に徹しており、役者としての力量を感じた。 



レビューファンタスティーク「Santé!! 〜最高級ワインをあなたに〜」
 
fullsizeoutput_108f
重苦しく引き込まれない芝居の後で、ショーはとにかく楽しかった。やっぱり宝塚初心者にはショーを見せるのが良いですな。ワインをモチーフにしたショーであり、プロローグとフィナーレの金色&ワインレッド(赤白ワインの色)の衣装が素敵だった。

ネットでは既に不評が出ている応援グッズ「ワイングラス」は、まぁ買わなくてよいね。グッズがちゃちいのは置いといても、グラスを掲げて「乾杯!」ってするタイミングが分かりにくいし、演者はグラスを持ってない空の手なのだ。それでも客席降りや花道のジェンヌと、目を合わせてコミュニケーションするタイミングがあるのは面白いけどね。 横に座っていた小学生くらいの女の子が、ジェンヌに微笑まれながら恥ずかしそうに応援グッズを掲げてたのは良い光景だった。

私は一番素敵だと思ったのは、90年代宝塚メンバーの安寿ミラ氏(ANJU)が振付を担当したシーン。酒場をイメージしたシーンで、ほぼ男役だけの構成。全員がラテン男をイメージさせる黒ジャケ、ハットのラフな着こなし、ヤンみき時代を彷彿とさせるような(ってあんまり知らんけどイメージね)チャラい雰囲気、なかなかのこなれ感。

宝塚のショーの花、男役黒燕尾群舞は、同じくお酒をテーマにした匠ひびき氏出演作「Cocktail!!」同様、長渕剛氏の「乾杯」だったけど……私はあんまり〜だった。他にいくらでも曲あるだろ!って思う。

全体的に無難にこなす系の花組の歌唱力の中、「おっ」と思ったのは専科の美穂圭子氏演じるエディット・ピアフ。また、キリスト教的シーン(どこか特定できない) で若手娘役と思しき人が歌う宗教曲が良かった。若手娘役といえば、何度か登場したアンジェ(天使)の衣装。チュチュをつけた「いかにもバレリーナ」っぽい衣装なんだけど、年齢的?体の鍛え方的?に「それは勘弁して〜」ってな感じ。

フィナーレの最後は、天海氏トップ時代の「TAKARAZUKA・オーレ」の最後のような盛り上がりで幕となった。そう、久世氏がヤク中を疑われるほど弾けていたあれである。



気になったジェンヌ
 
 あとは何人かのジェンヌを取り上げて書いてみる。

  • 明日海りお氏
見目の麗しさは現役ジェンヌで抜きん出てると思われる。少年系ヒーローを演じさせたらピカイチだね。しかしネットでも心配されているように、痩せすぎでは?そのせいなのか、もともとなのか、動きにキレや力強さがやや欠ける。仙名氏とのペアダンスシーンでも、相手を引き寄せる振りなど、ほぼ仙名氏が自分で動いている感じだった。「そこはもっとぐいっと!」と思うのは、社交ダンスをかじったからか。

  • 仙名彩世氏
ベテラン娘役が満を持してのトップ就任とのこと。芝居も歌も踊りもそつない感じ。芝居の冒頭で主役2人が出会うシーン辺りは、ベテランゆえに初々しさに欠ける印象はあったけど。娘役は宝塚の演出上、なかなか個性が見えにくいね。あ、背中の筋肉がバレリーナのように鍛えられてて、「これは踊りの名手だな!」と思ったっけ。

  • 天真みちる氏
芝居では倭国連合の各国の王が集まる時、司会的役割をするナシメという役。……毒にも薬にもならん役で、天真氏の良さがまったく分からない役どころで残念。ショーでは大抵上手付近での登場で、下手側に座っていた私からはあまり見えず……。

しかし痩せすぎの明日海氏とは反対に、あんなに踊ってるのにプクプク体型なのが不思議。ショーでは同じくプックリ系の羽立光来氏(香川県出身!)と共に、面白担当の太め女性を演じていた。

  • 水美舞斗氏
ムラ情報を指南してくれた 先輩ヅカファンZ氏が注目しているという男役さん。今回のショーの振付講座動画にも登場している。

上でも書いた通り、軽やかな明るさと程よい脱力感が持ち味のジェンヌのようだ。ルックスも良いし、人柄も面白そう。芝居も幅広い役をこなせそうな雰囲気があるね。先輩が注目している理由が分かる気がした。

  • 柚香光氏
花組三番手男役。芝居では主役の盟友的役どころだが、あまり目立ってはいなかった。ショーで華やかな衣装をつけているシーンでは「お行儀良すぎ、もっと弾けないと!」と思って見てたら、最後には小さな羽根をつけて登場したので「あら、三番手さんだったのね?」と意外に思う。

そんなちょい地味系路線男役の柚香氏に、私はなんとなーく「久世星佳」的匂いを感じる。顔が似ているとかじゃなく、「顔に陰影(物理的な話じゃなくね)が出るタイプ」。そういう「人間の影の部分もちゃんと感じさせる」ところかな〜?俯いた前頭とかに、ふと「久世さんっぽさがあるかも?」と思ったのだった。



更なる沼にハマるのか?
 
今回は取れた席が下手花道のすぐ横という非常な良席であり、オペラグラスがなくても演者の表情が見えて、とてもラッキーな初観劇となった。
fullsizeoutput_1071
fullsizeoutput_1089
現役ジェンヌに贔屓がいないこともあり過大な期待感もなく行ったのだが、「宝塚大劇場」というところ自体が素敵な場所であり、そういう意味では「また見に来たいな〜」なんて思うのだった。たまたま同じ回を観劇してた望海風斗氏をまぁまぁ近くで見られたし、いつか望海氏の出演作も見てみたいななんてな。

ただ……ショーなんか見てたら「これを久世さんがやったら」を無意識に考えている自分がいて、「生で見たら現役の誰かに落ちたりするのか?」と思ってたけど、全然そんなことはなかった。柚香氏に久世氏の匂いを探したりなど、ひたすら久世氏の面影を追うのだった。……あー、久世氏の現役時代を生で見たかったなー。
fullsizeoutput_107d
fullsizeoutput_107a
↑開演前、幕間に売られていた公演ドリンク。ちゃんと酒である。こんな楽しみもあるのねーだが、「カップはどうぞお持ち帰りください」とビニール袋を渡されたのはビックリ。……いらん。




style="display:inline-block;width:336px;height:280px"
data-ad-client="ca-pub-5869483790913921"
data-ad-slot="2637820497">




人気ブログランキングへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村