観劇するとレポ記事を書くわけだが、これがなかなかヨイショがいる。感動を、面白かったポイントを、名シーンを、余すところなく伝えたいと思えば思うほど、どう書けばいいのか悩むのだ。書き忘れがないか、それが一番なのだが。
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今回東京まで見に行ったのは、私のご贔屓久世氏が出演したオフィス3◯◯ 四十周年記念公演「肉の海」。久世氏の他にも尾美としのり氏、ベンガル氏などなど、豪華キャストに期待!渡辺えり氏の作品も初めてだったので、それも楽しみだった。



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初めての下北沢、初めての本多劇場
 
今回の作品は、小劇場の聖地 下北沢にある本多劇場で上演された。駅の周りは若者で溢れ、建物からは芝居の稽古らしい声、おぉ〜聖地にきたね〜。
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開場して中に入ると、劇団の若手の方と思しき係員さんがキビキビと場内案内などしてくださる。上演開始ギリギリにトイレも済ませ、2時間半(休憩なし)の公演に臨む。劇場が小さめなので、真ん中辺の席だったけど、そこからでも十分演者の顔が見える感じ。



震災で失われた命、残されて狂う人々

今回の作品には下敷きになった小説作品がある。結局こちらは読まなかったので、脚本化する時点でどれだけ渡辺氏の手が加わったのかはわからない。
塔と重力
上田 岳弘
新潮社
2017-07-31 


これは阪神大震災で失われた命と、残された人々の物語。美希子は受験合宿に参加中に震災で命を落とす。美希子を合宿に誘った田辺は、大人になっても癒えない症状に苦しめられる。田辺に命を救われてから、田辺を神と崇めるようになる水上。

美希子の母親萌子は美希子の死後数年後に自死、その萌子の亡霊が見える美希子の父親。彼はもともと精神科医で、屋上で不思議な診療室を開いている。星空の下開かれる診療室で、田辺のカウンセリングが始まる。

久世氏は萌子の姉の幸子役。その上の姉が渡辺氏演じる花子で、花子はのちに東日本大震災に遭い命を落とす。花子たちの母親(美希子の祖母)は、娘、孫の死を受け入れられず、痴呆の世界に生きている。

美希子の死に打ちのめされた人々は、それぞれ少しずつ狂っている。そんな中、ひとり正気を保っているのが幸子である。久世氏は、今回のような傍観者たる役どころを演じることが多い気がする。



久世氏、歌い踊る

この公演、「超音楽劇」と銘打ってるだけあって、初めから最後まで生演奏をバックに全ての演者が歌い踊る。「モアナと伝説の海」の屋比久知奈氏を中心に、演者それぞれが素晴らしいクオリティで歌い上げる。ダンスは腕に覚えのある若手演者が華やかに舞う。

久世氏も主要な役なのでソロパートがちらほら、久世氏の歌をこんなに聞けた芝居は初めて。渡辺氏が書かれた優しい歌詞、世界観と、久世氏の声がマッチしてた!素敵だった!

久世氏の役は元タカラジェンヌという中の人そのままの設定。途中タンゴのシーンがあり、初めは久世氏がソロで歌う。……カッコいい。その後何組かのカップルでアルゼンチンタンゴを踊るのだが、久世氏は女優さん相手に男役をしてた。なんだよ、これ!サービス満点!

衣装も楽しかった。冒頭は渡辺氏デザインというメルヘンちっくなドレス!だったし、全員がセーラー服というシーンでは当然久世氏も着ていたわけで。背が高いし、普段役以外でスカートなんてはかないんだろうけど、ちゃんと可愛かった!





あっという間の2時間半

 この作品、歌や踊りのシーンが続くが、観客が拍手をするタイミングが一切ない。場面転換しそうなタイミングで、必ず爆音がなり暗転するのだ。このお陰で集中力が途切れるということがなかった。あっという間の2時間半、作品の世界観にどっぷり浸かり、自分を忘れていた。

冒頭は「不思議の国のアリス」をモチーフにしたメルヘンチックなシーンで始まる。過去の世界、現在の世界、狂気の世界が入り乱れ、色鮮やかな場面と闇を感じる場面が次々と現れる。怒涛のような展開に必死でついていき、気がついたら終演だった。

「肉の海」なんてすごいタイトルだったけど、メルヘンな風味が効いてて軽やかに哀しい印象。物語の中の人は狂うほど悲しんでいるのに、見ているこちらには重苦しさを感じさせない仕上がり。ただただ「良い作品を見たな」という感想が残った。



この作品に興味のある方へ

SNSでも舞台写真をアップしていた渡辺えり氏だが、まとまってみられるのは氏のブログかもしれない。

「渡辺えりオフィシャルブログ 夢見る力」

そして我らが久世氏は、初日明けてからブログを更新。……事前に宣伝とかしようよ。

「6月8日 | 風の吹くまま…」

あとはSNSで「肉の海」で検索!キャストの皆さん、アフタートークのゲスト(豪華なの!)などが情報出してくれてるよ〜。もう今日で終わっちゃうけど。




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