エレキコミックのやつい氏が書いたエッセイ小説を買いに行く。「新刊コーナーに平積みされてるかしら?」と思ったけど、全然積まれてない。探し回ってやっと見つけたのは、「タレント本コーナー」の棚にささっていた1冊だけだった。

「田舎だし、あんまり注目されてないのかな〜?」と少し寂しく思っていたら、ツイッターで「入手困難&Amazonでまさかの価格高騰(定価より高くなってる)」を知る。あ、売れててなかったのね!そうなのね!





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まさに青春!

この作品は、やつい氏の大学時代を綴ったエッセイ小説である。当時弱小部だった落研に入部し、「落研を大学一の部活にする」「全国の大学で一番になる」という野望の元、やつい氏とその仲間たちが面白おかしく奮闘するお話(実話)。

やつい氏は私より3歳年上、ほぼ同年代なんだけど、描かれてる極貧生活ぶりとかサバイバルな感じとかがかなり「昭和」でびっくりした。落研だからなのか、やつい氏だからなのかわかんないけど、そういうのも含めて「全力で面白がる」感じがいいな〜と思う。私はそういう「学生ならではのむちゃな感じ」と無縁だったから、ちょっと羨ましい。



やつい氏のすごさ

作中には相方の今立氏はじめ作家の小川氏、江氏、ナイツの塙氏など、今も共に仕事をする人たちも登場する。ラーメンズのふたりもちょこっと登場。「今も続けていることは、全部大学時代にやっていたことだ」と帯にもあるけど、これってかなりすごいことじゃないのかな?当時から芸人として、オーガナイザーとして、すでにプロとしての視点がちゃんとある。

芸能関係の活動にはものすごい能力を発揮するやつい氏が、「普通のバイトができない」人だったのは意外だった。「絶対クビにならない」と紹介されたバイトまで、不可思議な行動で見事にクビになる。彼は徹底して、「興味のあることしかできない、興味のないことは全くやる気がおこらない」人なんだな。そういう人だから、芸能界でやっていけるのだろうな。



名言、多数

毎週購読している「エレマガ 。」でも時々思うが、やつい氏は名文家だ。女性的と言えるくらい透明感のある文章を書く方で、いつもライブで小学生的下ネタをやっている人とは思えない。以前「物事に熱狂することがない」みたいなことを言っていたけど、常に冷静に物事を見ている温度感そのままの静謐な語り口なのだ。

ここで私がいいなと思った名言を書いてみる。
「今面白いなんて、その時代にたまたま合ってるだけかもしれない」(P63)
「自分が嫌いだった自分こそが面白い自分」(P106)
「みんなに愛されるかどうかが大事だ」(P162)
「面白いネタをやる人と面白い人はちょっと違う」(P197)
「自分が好きなものを他人に良いと思わせる戦いだ」(P230)
「楽しくないことは本当にできない」(P263)
「誰かがくれるチャンスを得るには、誰かが描く絵にピッタリな自分になる必要がある。ただ、僕はそれがとても苦手だった」(P 269)
「僕はだいたい、一度始めたことをやめない」(P275)
書き出しながら、「あ〜、自分の悩みどころがここなんだな」と思う。やつい氏はやっぱりすごい人だ。

私は1日で読み切ったこの作品、続編が「エレマガ 。」で始まっている。続きも楽しみだ〜。



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